89回目のゲストは、札幌大学教授の本田優子さんです。
本田さんは、石川県金沢市のご出身。北海道大学文学部をご卒業後、平取町二風谷(にぶたに)に移り住み萱野茂(かやのしげる)氏に師事、「萱野茂のアイヌ語辞典」の編集に携わるとともに、二風谷アイヌ語教室で萱野氏の助手として活動され、1年間の予定が11年に及びました。平成17年、札幌大学文化学部助教授として着任。文化学部長、副学長を経て、今日に至っています。
今回の番組では、はじめに、本田さんがアイヌ語やアイヌ文化研究へ導かれることになった萱野氏との出会い、本田さんご自身の人間性にも大きな影響を与えたとされる萱野氏の人間としての魅力について、ユーモアたっぷりに、数々のエピソードを交えながらご紹介いただきました。自然との共生を重んじるアイヌ民族としての萱野氏の言葉は、時にご幼少時代のお二人のご子息にも向けられましたが、お二人にとって成長の「原点」になったとのことです。
中盤以降では、現在の札幌大学におけるアイヌ文化の担い手を大切に育てる「ウレシパ」と称される活動や、ニュージーランドのマオリ族を範としてあげアイヌ民族の未来の姿を重ね、また今年開館する「ウポポイ」との関り方について、いずれもアイヌ民族の若者たちのリーダーシップに期待を込めてお話いただきました。さらに、アイヌ民族が築いてきた「森の文化」、「木の文化」の世界観をもっと若者たちが理解を深めるとともに、力を合わせて北海道の森を「アイヌ文化の森」に育てていきたいとのご自身の目標を掲げ、まとめていただきました。
この番組は以下の各社のご提供で放送しています。