臥竜清談第79回 本望修さん(2019.7.21放送)

第79回目のゲストは、札幌医科大学医学部付属フロンティア医学研究所 神経再生医療学部門教授 本望 修 先生です。
本望先生は、平成元年に札幌医科大学ご卒業と同時に同大学医学部脳神経外科に入局。平成3年からはニューヨーク大学脳神経外科研究員、その翌年にエール大学医学部神経内科神経科学・神経再生研究所研究員、さらに平成7年に同研究所講師となられ海外で研究に従事されておりましたが、同年、母校札幌医科大学脳神経外科学講座助手として戻られ、平成12年に同講座講師、平成20年に同講座特任教授、平成23年に現職にご就任されました。
かつては脊髄を損傷すると有効な治療法がなく、重篤な後遺症が残るのはやむを得ないことでしたが、平成の初めから札幌医科大学では、後遺症に悩む患者を救う研究に取り組み、その研究の中心にいらしたのが本望先生です。
今回の番組では、初めに研究中に発見された「骨髄間葉系幹細胞」がもつ神経再生を促す等の多様な働きに注目して、図示により解説。また、ヒト骨髄液から得た「骨髄間葉系幹細胞」を濃縮後に体内に戻す治療法で、体に麻痺のあった脳梗塞患者の麻痺が回復した症例(平成21年)、重度の後遺症の残る脊髄損傷患者を対象とした医師主導治験(平成25年スタート)において重症度が回復した症例等をご紹介しています。
この「骨髄間葉系幹細胞」を用いた治療法は、細胞製剤「ステミラック注」として医薬品メーカー「ニプロ」との共同開発で、その成果の意義・期待から厚労省の「先駆け審査指定制度」に指定、異例のスピードで期限・条件付承認となり、今年5月から健康保険が適用される新しい治療法として世界で初めて札幌医科大学が全国から患者の受け入れを開始しました。
本望先生には冒頭、この画期的治療法の特性や対象となる患者の現状等について詳しくお話を頂戴し、さらに中盤以降では、ご自身が当初、目指した臨床医から基礎医学の研究に方向を転換されたきっかけや、長年の「再生医療」の研究を通して感じられる現在の医療、そして、5年、10年先の医療の姿について、お話を伺いました。
「『自己治癒力』の解明と最大活用」を掲げ、実践されている本望先生には、多くの患者の期待が集まっています。

この番組は以下の各社のご提供で放送しています。

※ 撮影協力:札幌医科大学

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